深層混合処理工法(柱状改良)の設計|土木・建築の両基準に対応

v1.2.0 最終更新日: 2026-08-26

柱状改良(深層混合処理工法)の設計計算ツールです。土木は杭式改良の複合地盤的設計手法により改良率・設計基準強度・平均せん断強さ・沈下・滑動を、建築は改良体の周面摩擦と先端支持力による許容鉛直支持力度を検討できます。

このツールで検討できること
  • 土木基準では杭式改良の複合地盤的設計手法により、改良率・必要設計基準強度・改良後の平均せん断強さ・圧密沈下・滑動を検討します。
  • 建築基準では、改良体の周面摩擦と先端支持力による許容鉛直支持力度・鉛直応力度・水平抵抗・偏土圧を検討します。戸建て住宅等(SWS試験による)にも対応します。
  • 擁壁や直接基礎の計算結果から荷重・基礎スラブ寸法・断面形状を引き継いで開けます。
対象外・注意が必要な条件
  • 複合地盤的設計手法(改良体と原地盤が荷重を分担する考え方)です。改良体を杭とみなす支持力式の適用範囲は、基準ごとの規定によります。
  • 円弧すべりの検討は行いません。算定した平均せん断強さτ̄を「地盤破壊(円弧すべり)の検討」へ受け渡して検討する前提です。
  • 液状化の判定・液状化時の支持力低減は対象外です(判定そのものは液状化判定(簡便法)で行えます)。改良体の配合設計は確認のみで、配合試験そのものの計画は扱いません。
  • 土木の圧密沈下は改良層下の未改良層の一次元圧密(mv法)です。

適用範囲と計算上の仮定をすべて見る

1. 基本条件

建築は、鉛直支持力・改良体の鉛直応力度・水平抵抗(曲げ・せん断)・偏土圧を1回の入力でまとめて検討します。土木は杭式改良(複合地盤的設計手法)です。

地震時の円弧すべりの計算は、特に必要とされている場合以外は省略してよいとされています。

安全率と許容応力度が切り替わります。常時は Fs=3・fc=Fc/3、中地震動時は Fs=1.5・fc=2Fc/3(表6.1.3)。大地震動時の水平抵抗(指針6.2)は本ツールでは扱いません。

水平抵抗と偏土圧の検討を、どの加力方向について行うかを選びます。擁壁のように一方向の荷重が支配的な場合はその方向だけを、独立基礎のように両方向を確かめたい場合は「両方」を選びます。連続基礎は延長方向(Y方向)を改良体1列分しか見ていないため、X方向に固定します。

2. 基礎スラブ・改良体

独立基礎のように四方が決まった基礎は「矩形」、擁壁の底版のように一方向へ長く続く基礎は「連続基礎」を選びます。連続基礎では、改良体1列が受け持つ延長(=下の改良ピッチ)を検討幅として、基礎スラブのY方向寸法と改良体本数Y方向の入力に代えて計算します。

基礎スラブの底面積 Af=X×Y は、設計接地圧 σe=α・P/Af と改良率 ap=ΣAp/Af の算定に用います。

改良体1本の直径です。改良体群は基礎スラブの中心に配置するものとして断面定数を算定します。

改良率の ΣAp は「基礎スラブ底面内にある改良体面積」です。スラブからはみ出した部分は算入しません。

改良体の中心間隔です。改良体径Dより小さい場合はラップ配置となり、ラップ幅=D−間隔として断面定数を算定します。

改良体の変形係数 Ep=180Fc、許容圧縮応力度・許容引張り応力度(表6.1.3)、許容せん断応力度(式6.1.9)のすべてに用います。

改良体の上に剛な基礎スラブがある場合は0.25とします。基礎スラブと改良体間に5〜10cm程度の砕石を敷くなどの一般的な地業がなされている場合でもこの係数を用いることができます。

改良体1本の直径です。改良面積 Ap=πD²/4 として改良率の算定に用います。

矩形配置・千鳥配置とも、改良率は ap=Ap/(d1・d2)×100 で算定します(図-4.4.2)。

改良幅Bは改良深さDに対して B/D=0.5〜1.0以上を目安とし、0.5以下になる場合は曲げ応力に対する検討を行うこととされています。

躯体形状(任意)

基礎スラブの上に載る躯体の断面を、節点の座標で入力すると断面図に反映されます。基礎スラブ左端の底面を原点(X=0, Y=0)とし、右回りに入力してください。計算には影響しません。擁壁や直接基礎の計算結果から遷移した場合は、その断面形状が自動で入ります。

0 / 最大24点

3. 荷重条件

鉛直荷重P・水平荷重Qを、基礎スラブ全体に作用する実際の荷重(kN)で入力するか、単位幅あたりの荷重(kN/m)で入力するかを選びます。「単位幅あたり」を選ぶと、入力値に基礎スラブのY方向寸法を掛けてスラブ全体の荷重に換算してから計算します。擁壁のように延長1mあたりで荷重を算定している場合に使います。

偏心荷重を受ける場合、σe=α・P/Af により設計用接地圧を求めます(式5.1.2)。偏心のない場合は1.00としてください。

曲げ応力度・せん断応力度は、選んだ検討方向について検討します。

基礎の底部から下方2m以内(1kN以下で自沈する層がある場合は下方5m以内)の地盤における、1mあたりの半回転数の平均値です。150を超える場合は150として算定します。

4. 改良体の強度

必要設計基準強度 quck=Fs・W/ap の算定に用います。圧縮強度の安全率を1.0〜1.2程度とするのが目安です。

設計基準強度は quck=100〜600 kN/m2 とすることが多く、上限は500 kN/m2程度が望ましいとされています。

陸上工事では γ・λ=1/3〜1/4(0.25〜0.333)とすることが多いとされています。

5. 原地盤

改良体間の原地盤の一軸圧縮強さです。粘着力は c0=qu0/2 として平均せん断強さの算定に用います。

6. 周面地盤

改良体の周面に沿って極限周面摩擦力度を積算する層数です(最大5層)。粘性土は τd=c(上限100)、砂質土は τd=10N/3(N値の上限30)で算定します。

7. 下部地盤・改良体先端

表5.1.2の支持力係数Nc・Nr・Nqを直線補間で求めます(40度以上は40度の値)。

砂質土は Rpu=75・N̄・Ap(N̄の上限60)、粘性土は Rpu=6・c・Ap(cの上限1250)で先端支持力を算定します。

8. 水平抵抗

水平方向地盤反力係数 kh=(1/30)・α・E0・(b1/30)^(-3/4)×10²(式6.1.2、α=4)に用います。

9. 偏土圧の検討

擁壁等の偏土圧を受ける構造物が設置され、構造物前背面地盤に段差が生じる場合に検討します(指針 第7章)。滑動・地盤反力・抜出しを追加で検討します。

受働土圧を見込まない(安全側とする)場合は0としてください。既定値は0です。

10. 支持力の検討

対象構造物に応じた準拠基準により別途算定した値を入力してください。

11. 圧密沈下量の検討

応力分担比 n=σp/σc です。適当な試験データがない場合、通常10〜20の範囲で設定します。

12. 滑動の検討

粘土地盤では FR=min(B・ch, B・τ̄)、砂地盤では FR=min(μ(WU+WL), B・τ̄) として滑動抵抗力を算定します。

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計算方法と適用範囲

このツールで計算できること

柱状改良(深層混合処理工法)の設計計算を行います。土木基準では杭式改良の複合地盤的設計手法により改良率・必要設計基準強度・改良後の平均せん断強さ・圧密沈下・滑動を検討し、建築基準では改良体の周面摩擦と先端支持力による許容鉛直支持力度・鉛直応力度・水平抵抗・偏土圧を検討します。戸建て住宅等(SWS試験による)にも対応します。

計算方法・使用式

  • 土木(杭式改良・複合地盤的設計手法): 改良率 ap = Ap/(d1・d2)(式4.4.1)、必要設計基準強度 quck = Fs・W/ap(式4.4.2)、現場強度と室内配合強度の関係 quck ≦ γ・λ・qul(式4.3.1)、改良後の平均せん断強さ τ̄ = cp・ap+κ・c0(1−ap)(式4.4.4。cp = quck/2)、圧密沈下量 S = β′・S0(応力分担比nによる低減 β′= 1/((n−1)ap+1)。式4.4.5〜4.4.7)、滑動 Fs = (FR+Pp)/(PAU+PAL)(参4.4.1)を検討します。
  • 建築(改良地盤の設計及び品質管理指針): 改良体の周面摩擦力と先端支持力による許容鉛直支持力度、改良体に生じる鉛直応力度と許容圧縮応力度の比較、水平力に対する検討(変形係数E0による水平抵抗)、偏土圧が作用する場合の検討を行います。
  • 建築:戸建て住宅等: 指針第11章により、スクリューウエイト貫入試験(SWS試験)の結果から地盤の許容応力度・支持力を求めて検討します。
  • 基礎スラブ下の改良体の配置(矩形/千鳥・本数・ピッチ)から、改良体1本あたりの分担荷重を算定します。

入力と出力

入力: 準拠基準(建築/建築・戸建て/土木)・検討ケース・設計水平震度、基礎スラブ・改良体の諸元(スラブ寸法・改良径・改良長・本数・ピッチ・配置)、荷重条件(鉛直荷重・水平荷重・盛土荷重・上載荷重)、改良体の強度(quck・qul・γλ・安全率)、原地盤の強度(qu0・低減係数κ)、周面・下部地盤の地層条件、水平抵抗の変形係数、偏土圧の条件、圧密沈下の条件(応力分担比n・mv・層厚)。

出力: 選択した基準に応じた各照査(改良率・必要quck・平均せん断強さ・沈下・滑動、または鉛直支持力・鉛直応力度・水平抵抗・偏土圧)のOK/NG判定の一覧。計算過程つきの帳票(計算書)を出力できます。

適用範囲・計算上の仮定

  • 複合地盤的設計手法(改良体と原地盤が荷重を分担する考え方)です。改良体を杭とみなす支持力式の適用範囲は基準ごとの規定によります。
  • 円弧すべりの検討(マニュアル式4.4.3)は本ツールでは行いません。算定した平均せん断強さτ̄を「地盤破壊(円弧すべり)の検討」ツールへ受け渡して検討する前提です。
  • 改良体の配合設計(現場/室内強度比γ・ばらつき係数λ)は確認のみで、配合試験そのものの計画は対象外です。
  • 液状化の判定・液状化時の支持力低減は対象外です。
  • 土木の圧密沈下は改良層下の未改良層の一次元圧密(mv法)です。

使用基準・参考文献・設計者が確認すべき事項

  • 陸上工事における深層混合処理工法 設計・施工マニュアル 増補版(令和4年4月、土木研究センター): 杭式改良の複合地盤的設計手法(4.3〜4.4、式4.3.1〜4.4.7・参4.4.1)。
  • 建築物のための改良地盤の設計及び品質管理指針(日本建築センター、2018年度版): 深層混合処理工法の許容鉛直支持力度・応力度・水平抵抗・偏土圧の検討、戸建て住宅等(第11章・SWS試験)。

設計基準強度の設定(配合試験・強度のばらつき)、支持層の確認、改良体の施工品質(着底・連続性)、応力分担比nの根拠、周辺への影響(変位・排土)は、設計者がマニュアル・指針と施工計画に照らして別途確認してください。