液状化判定(簡便法)|建築、土木の両指針に対応

v1.1.0 最終更新日: 2026-08-25

建築基準(建築基礎構造設計指針)・土木基準(道路橋示方書)の両方の基準による液状化判定(FL値・PL値)を行うことができるツールです。

このツールで検討できること
  • 建築基準(建築基礎構造設計指針)と土木基準(道路橋示方書Ⅴ)の両方に対応。基準ごとに補正N値と地震時せん断応力比の求め方が変わります。
  • N値測定点ごとのFL値と、地盤全体のPL値を算定し、深度方向の分布図と計算書を出力します。
対象外・注意が必要な条件
  • 標準貫入試験のN値による簡便法(FL法)です。繰返し三軸試験による詳細判定・有効応力解析はできません。
  • 判定深度は地表から20m程度までです(基準の適用範囲)。
  • 判定対象層の抽出(細粒分含有率35%超・地下水位より上・粘性土の除外など)は簡略化しています。対象とする層は調査結果に基づいてご確認ください。

適用範囲と計算上の仮定をすべて見る

1. 判定基準

建築基準は建築基礎構造設計指針(日本建築学会2019)、土木基準は道路橋示方書・同解説V耐震設計編(平成29年版)に準ずる。

2. 地震外力

地盤面の設計水平震度の標準値です。地盤種別・検討ケースに応じて別途設定してください。

道路橋示方書の地域区分(A1/A2/B1/B2/C)による係数です。デフォルト1.0(A1・A2相当)。

参考値: レベル1検討用 1.5〜2.0 m/s2、レベル2検討用 3.5 m/s2程度。

3. 全般

地表面からの深さ(GL-m)で入力してください。

通常は9.81 kN/m3(真水)とします。

4. 地層区分

全/有効上載圧の算定に用いる地層プロファイルです。γtは地下水位より浅い部分、γsatは地下水位以深に用います。第1層(地表面から)の順に、層厚を積み上げて各層の深度を自動計算します。下の「地層数」で入力する行数を指定してください。

最大20層
層厚(m) γt(kN/m3)湿潤 γsat(kN/m3)飽和
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5. N値測定点

判定はこの測定点ごとに、その深度における上載圧・N値等から個別に行います。下の「N値測定点数」で入力する行数を指定してください。

最大40点
測定深度(m) 土質区分 N値 FC(%) D50(mm) ΔNf(建築基準のみ)
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リアルタイムプレビュー(柱状図)

入力に応じて自動更新

計算方法と適用範囲

このツールで計算できること

ボーリング調査のN値と土質条件から、簡便法(FL法)による液状化判定を行います。建築基準(建築基礎構造設計指針)と土木基準(道路橋示方書Ⅴ耐震設計編)を選択でき、各N値測定点のFL値と、地盤全体の液状化の程度を表すPL値を算定します。

計算方法・使用式

  • FL値 = R/L(液状化抵抗率Rと地震時せん断応力比Lの比)。FL≦1.0で液状化の可能性ありと判定します。
  • 液状化抵抗率R: 補正N値Naから時松・吉見の式(γ=5%の実験曲線。R = 0.0882√(Na/1.7)、Na>14では+1.6×10⁻⁶(Na−14)^4.5)で求めます。この曲線は両基準共通です(建築学会指針の図、道路橋示方書のRL式)。
  • 土木基準のNa: N1 = 170N/(σv′+70)とし、砂質土は細粒分含有率FCによる補正係数cFC、礫質土(D50≧2mm)は粒径による低減を適用します。レベル2地震動タイプⅡでは低減係数cw(RLに応じ1.0〜2.0)を乗じます。L = rd・cz・kh0・σv/σv′(rd = 1−0.015z)。
  • 建築基準のNa: N1 = √(100/σv′)・Nに、細粒分含有率による補正増分ΔNfを加えます。L = rd・(αmax/g)・σv/σv′。
  • 上載圧: 地下水位より浅い部分はγt、以深はγsatで全上載圧を積算し、有効上載圧は間隙水圧u = γw(z−zw)を差し引いて求めます。
  • PL値: PL = ∫₀²⁰(1−FL)(10−0.5x)dx(FL≧1はFL=1)を、測定点ごとの代表区間(前後の測定点との中間深度で区切った区間)で近似して積算します。

入力と出力

入力: 判定基準(建築/土木)・検討ケース(レベル1/レベル2タイプⅠ/タイプⅡなど)、地震外力(設計水平震度kh0・地域別補正係数cz、または地表面設計用水平加速度αmax)、地下水位、地層区分(層厚・γt・γsat。上載圧の計算に使用)、N値測定点ごとの深度・N値・土質・細粒分含有率FC・平均粒径D50・ΔNf。

出力: 測定点ごとのσv・σv′・N1・Na・R・L・FL値の一覧(判定対象外の点は除外理由を表示)、PL値と液状化の程度の目安、深度方向のFL分布図。計算過程つきの帳票(計算書)を出力できます。

適用範囲・計算上の仮定

  • 標準貫入試験のN値による簡便法(FL法)です。繰返し三軸試験による詳細判定・有効応力解析は対象外です。
  • 判定は層単位ではなくN値測定点単位で行います。地層区分は上載圧の深度分布の計算にのみ用います。
  • 判定対象層の抽出(細粒分含有率35%超・地下水位より上・粘性土の除外など)は簡略化しています。対象とすべき層の判断は調査結果に基づき設計者が確認してください。
  • 判定深度は地表から20m程度までが基準の適用範囲です。
  • 建築基準のΔNfは指針の図表からの読み取り値のため、測定点ごとの直接入力です(既定値0)。
  • cz・kh0・αmaxは全国表・地盤種別表を参照せず直接入力です。適用する地域・地盤種別の値を設定してください。

使用基準・参考文献・設計者が確認すべき事項

  • 建築基礎構造設計指針(日本建築学会、2019): 液状化判定の方法(N1・ΔNf・αmaxによるL)。
  • 道路橋示方書・同解説Ⅴ耐震設計編(平成29年11月、日本道路協会): 液状化の判定(N1・cFC・cw・khgLによるL、RL式)。
  • 時松・吉見による液状化強度曲線(γ=5%)、岩崎・龍岡らによるPL値。

地下水位の季節変動、細粒分含有率・粒度試験値の代表性、埋立て・造成履歴、FL・PLの結果に基づく対策工の要否判断は、設計者が別途確認してください。判定基準・地震外力は事業(建築確認・道路・港湾等)ごとに指定される場合があります。