液状化に伴う残留変形解析(有限要素法)|盛土(堤体)の液状化に伴う変形計算

v1.0.0 最終更新日: 2026-08-22

液状化層の液状化後剛性比G1/G0を地層ごとに指定し、静的FEM解析により堤体・地盤の残留変形(沈下)を評価するツールです。計算はすべてブラウザ内(Web Worker)で実行されます。

このツールで検討できること
  • 堤体(盛土)荷重を受ける地盤の液状化後の残留変形(沈下・側方変位)を、静的な有限要素法で評価します。
  • 液状化による剛性低下を「液状化後剛性比G1/G0」で与えます(手入力、または安田・稲垣式による自動算定)。
対象外・注意が必要な条件
  • 静的解析による簡易評価法です。地震応答解析(動的解析)・有効応力解析ではありません。
  • 液状化の発生判定(FL値)はこのツールでは行いません。液状化判定(簡便法)などで別途求めたFL値を用いてください。
  • 安田・稲垣式の明示式は0.8<FL<1.1の範囲のみです。範囲外では剛性比の手入力が必要になります。
  • 液状化後の剛性低下による静的な再配分変形です。揺すり込み沈下・噴砂による体積変化・流動化は個別には表現されません。

適用範囲と計算上の仮定をすべて見る

地層ごとに「通常層」または「液状化層」を選択できます。液状化層は、液状化後剛性比G1/G0を直接入力するか、安田進ほか(2016)の式(1)による自動算定(0.8<FL<1.1の範囲のみ)を選択してください(解析に用いる弾性係数はE×G1/G0として計算します)。堤体本体は常に線形弾性要素としてメッシュ化され、自重を体積力として地盤に伝達します。解析は常に単一の静的線形解析です。

1. 全般条件

堤体は必ずこの幅の水平中央に載荷されます。

メッシュの基本間隔です。値を小さくするほど精度が上がりますが、計算時間が増加します。

地表面からの深さ(GL-m)で入力してください。断面図上の表示のみに用いる参考情報で、計算には使用しません。

断面図上の表示のみに用いる参考情報で、計算には使用しません。

2. 堤体形状

鉛直1に対する水平距離nを入力してください(例: 1:2.0なら2.0)。

堤体自体を線形弾性要素としてメッシュ化し、この自重を体積力として作用させます。地層自体の自重は考慮しません。

堤体は常に線形弾性としてモデル化されます。

3. 地層構成

地表面から下方へ順に積み重なります。地層ごとに「通常層」または「液状化層」を選択できます。E・νは弾性解析に用いる定数です。液状化層は、下の「液状化特性」表でFL・G/G0を入力してください(解析に用いる弾性係数はE×G/G0)。γt・γsatは現在のバージョンでは計算に使用しない参考値です。

最大10層
地層名 解析モデル 層厚(m) E(kN/m2) ν γt(kN/m3) γsat(kN/m3)
1
2
3

液状化特性(液状化層を選択した地層のみ入力)

上の表で「液状化層」を選択した地層の行のみ入力してください(通常層の行は自動的に非表示になります)。液状化後剛性比G1/G0は、手入力するか、安田進ほか(2016)の式(1)(0.8<FL<1.1の範囲のみ)で自動算定するかを選択できます。自動算定時は、液状化強度比RL・初期有効拘束圧σ'cを入力してください(初期せん断剛性G0は、上の地層構成表のE・νから自動算定します)。

FL 設定方法 G1/G0(手入力) RL σ'c(kN/m2)
2

4. 結果測定点

x=0を堤体の水平中心(右が正・左が負)、yを地表面からの深さ(下向き正)として指定してください。堤体内部(堤体天端中央など)を指定する場合は、「位置」で選択するか、yに負の値(堤体高さの範囲内)を入力してください。各測定点の位置には必ずメッシュの節点が生成されます。

最大15点
点名 位置 x(m)堤体中心から y(m)
1

リアルタイムプレビュー(断面図)

入力に応じて自動更新

計算方法と適用範囲

このツールで計算できること

堤体(盛土)荷重を受ける地盤の液状化後の残留変形(沈下・側方変位)を、静的な有限要素法解析で評価します。地層ごとに液状化層を指定し、液状化による剛性低下を「液状化後剛性比G1/G0」で与えて(手入力または安田・稲垣式による自動算定)、液状化後の変形を求めます。計算はすべてブラウザ内(Web Worker)で実行されます。

計算方法・使用式

  • 静的評価法(剛性低下法): 液状化層の弾性係数をE×(G1/G0)に低下させたモデルで、堤体自重を載荷した静的線形弾性解析(平面ひずみ・Q4要素)を行い、液状化後の残留変形を求めます。弾塑性反復は行いません。
  • 液状化後剛性比G1/G0: 地層ごとの手入力のほか、安田進ほか(2016)「液状化に伴う残留変形の静的評価法」式(1)により、FL値・繰返し三軸強度比RL・初期有効拘束圧σ′c・初期せん断剛性G0から自動算定できます(明示式の適用範囲は0.8<FL<1.1。範囲外への外挿は行いません)。
  • G0はE・νから弾性理論の標準式(G = E/(2(1+ν)))で求めます。
  • 境界条件はモデル側方が水平固定・底面固定のローラー支持で、堤体はせん断格子として地盤メッシュと結合します。

入力と出力

入力: 解析領域の幅・メッシュピッチ・地下水位、堤体形状(高さ・天端幅・法勾配・単位体積重量・E・ν)、地層構成(層厚・E・ν・γt・γsat、液状化層の指定とG1/G0の設定方法(手入力/自動算定。自動算定時はFL・RLなど))。

出力: 天端・のり尻など各位置の残留沈下量・側方変位、変形図(倍率調整可)、応力・ひずみ・変位のコンター図、液状化層ごとのG1/G0の算定根拠。

適用範囲・計算上の仮定

  • 2次元平面ひずみの静的解析による簡易評価法です。地震応答解析(動的解析)・有効応力解析ではありません。
  • 液状化の発生判定(FL値)は本ツールでは行いません。液状化判定(簡便法)ツールなどで別途求めたFL値を用いてください。
  • 安田・稲垣式の明示式は0.8<FL<1.1の範囲のみで適用でき、範囲外では手入力が必要です。
  • 変形は液状化後の剛性低下による静的な再配分変形です。揺すり込み沈下・噴砂による体積変化・流動化は個別には表現されません。
  • 要素サイズ・解析領域の広さが結果に影響します。境界の影響が出ていないか確認してください。

使用基準・参考文献・設計者が確認すべき事項

  • 安田進ほか「液状化に伴う残留変形の静的評価法」日本地震工学会論文集 第16巻第10号(2016)式(1): 液状化後剛性比G1/G0の算定。
  • 有限要素法(平面ひずみ・Q4要素)の標準的な定式化。

河川堤防・宅地などの耐震点検では所管の要領(河川構造物の耐震性能照査指針など)が優先される場合があります。FL・RLの設定根拠、剛性低下率の妥当性、許容される残留変形量は、設計者が事業の基準に照らして別途確認してください。