開水路の水理計算|マニングの公式による等流計算・限界水深・余裕高の検討

v1.1.0 最終更新日: 2026-08-25

開水路の水理計算ツールです。マニングの公式により、矩形・台形・U字・円形の断面について等流水深と流量を求め、限界水深・流れの状態(常流/射流)・余裕高・許容流速を照査します。求めた断面はU型水路の設計(構造計算)へ引き継げます。

このツールで検討できること
  • 開水路の等流計算です。矩形(U型水路・ボックスカルバート)・台形・U字(下半円)・円形(管きょ)に対応します。
  • 「設計流量から等流水深を求める(断面を決める)」と「水深から流量を求める(流下能力を照査する)」の2つのモードがあり、水深・流量・流速・フルード数・限界水深・余裕高を算定します。
  • U型水路の設計と断面寸法を渡し合えるため、水理と構造を行き来しながら断面を決められます。
対象外・注意が必要な条件
  • 等流(水深・流速が流下方向に変化しない流れ)が前提です。水面形(不等流・背水)の計算は行いません。
  • 躯体の断面(部材)の計算は行いません。現場打ちU型水路の構造計算はU型水路の設計が担当します。
  • 合流・屈曲・落差工・取水工などの局所的な水理現象は扱いません。
  • 円形断面の満流に近い状態は開水路の流れではなくなるため、フルード数を求めません。管きょを圧力流で流す設計は対象外です。

適用範囲と計算上の仮定をすべて見る

1. 計算条件

設計流量が与えられていて断面を決めたい場合は「等流水深を求める」、断面が決まっていて流せる量を確かめたい場合は「流量を求める」を選びます。どちらの場合も、限界水深・流れの状態・余裕高の検討はあわせて行います。

U型水路の設計(構造計算)と連携できるのは矩形断面です。矩形以外の形状でも水理計算は同じ手順で行い、通水断面積 A と潤辺 P の求め方だけが形状ごとに変わります。

2. 断面形状

側壁の内面から内面までの幅です。U型水路の設計では「内空幅 Bi」に当たります。

台形断面の底面の幅です。左右の法勾配は等しいものとして計算します。

鉛直1に対する水平方向の広がりです(1:0.5 なら 0.5)。素掘り水路では土質に応じた安定勾配とします。

直壁部の内空幅で、底部の半円の直径に等しい形状として計算します。水深が半径以下のときは円弧の一部だけが通水します。

管渠の内径です。管渠でも満管にせず水面がある状態(開水路流れ)で流す場合は、本アプリの等流計算が適用できます。

水路の底面から天端(側壁の上端)までの高さです。等流水深に余裕高を加えた必要内空高と比較して、断面の可否を判定します。円形断面では内径 D がこれに当たるため入力は不要です。

3. 水理条件

水路勾配は 1/500 のような分数で示すことが多いため、既定では 1/N の N を入力します。

1/N の N を入力します(例: 1/500 なら 500)。水路の計画高低差と延長から定めます。

水路の縦断勾配を小数で入力します(例: 0.002)。

選ぶと粗度係数 n に一般的な目安値が入ります。数値は手で書き換えられます(書き換えた後は自動設定されません)。

マニングの平均流速公式に用いる粗度係数です。ここに示す値は一般的な目安であり、実際の設計では準拠する基準・仕様書に定める値を用いてください。粗度係数は流量に直接効くため、余裕を見るときは大きめの値を採ります。

水路が流下させるべき流量です。雨水排水では計画降雨に対する計画流出量、農業用水路では最大通水量などが該当します。

流下能力を照査する水深です。天端まで満水として照査する場合は、水路の内空高と同じ値を入力します。

4. 照査条件

余裕高(フリーボード)は、水面の波立ち・堆砂・流木等に対する安全のために水面から天端までに確保する高さです。与え方は準拠する基準によるため、割合・一定値・その大きい方から選べるようにしています。

設計水深に対する割合です。20%程度とすることが多いですが、準拠する基準に従って設定してください。

割合で決めると小さくなりすぎる小断面の水路のために、下限として与える一定値です。

流速が大きすぎると水路の摩耗・洗掘の原因となります。コンクリート水路では3.0m/s程度を上限の目安とすることが多いですが、準拠する基準に従って設定してください。

流速が小さすぎると土砂が堆積します。0.6m/s程度を下限の目安とすることが多いですが、準拠する基準に従って設定してください。

リアルタイムプレビュー

入力に応じて自動更新

断面図

水深と流量の関係

計算方法と適用範囲

このツールで計算できること

開水路の等流計算を行います。矩形(U型水路・ボックスカルバート)・台形・U字(下半円)・円形(管きょ)の各断面について、「設計流量から等流水深を求める(断面を決める)」と「水深から流量を求める(流下能力を照査する)」の2つのモードで、水深・流量・流速・フルード数・限界水深・余裕高を算定します。

計算方法・使用式

  • 平均流速はマニングの公式 v = (1/n)・R^(2/3)・I^(1/2)(R = A/P)により、流量は Q = A・v で求めます。
  • 通水断面積A・潤辺P・水面幅Tは断面形状ごとに算定し、以降の手順は形状によらず共通です。
  • 等流水深は Q(h) = 設計流量 を満たす水深として二分法で求めます。円形断面では満流の手前(h/D≒0.94)で流量が最大となるため、最大流量となる水深までを探索し、届かない場合は流下能力の不足として扱います。
  • 限界水深は比エネルギー最小の条件 Q²・T/(g・A³) = 1 を満たす水深として二分法で求め、フルード数 Fr = v/√(g・A/T) により常流・射流を判定します。
  • 余裕高は「設計水深に対する割合」「一定値」「両者の大きい方」から選択し、必要内空高(水深+余裕高)を照査します。流速は許容最大・最小流速と比較します。

入力と出力

入力: 計算モード、断面形状と寸法(幅・法勾配・直径・水路高)、水路勾配(分数または小数)、粗度係数n(材質からの参考値選択または直接入力)、設計流量または水深、余裕高の与え方、許容最大・最小流速。

出力: 等流水深(または流下可能流量)、平均流速、フルード数と流れの状態(常流/射流)、限界水深、余裕高と必要内空高の照査、流速の照査のOK/NG判定。計算過程つきの帳票(計算書)を出力でき、U型水路の設計ツールと計算条件を双方向に引き継げます。

適用範囲・計算上の仮定

  • 等流(水深・流速が流下方向に変化しない流れ)を前提とします。水面形(不等流・背水)の計算は行いません。
  • 躯体の断面(部材)の計算は行いません。現場打ちU型水路の構造計算はU型水路の設計ツールが担当します。
  • 合流・屈曲・落差工・取水工などの局所的な水理現象は扱いません。
  • 円形断面の満流に近い状態(水面幅が0に近づく状態)は開水路の流れではなくなるため、フルード数を求めません。管きょとして圧力流で流す設計は対象外です。

使用基準・参考文献・設計者が確認すべき事項

  • マニングの公式による等流計算(道路土工 排水工指針、下水道施設計画・設計指針、土地改良事業計画設計基準など、各分野で共通に用いられる標準的手法)。

粗度係数n・余裕高の取り方・許容流速は、適用する事業の基準(道路排水・下水道・農業水利など)で定めが異なります。設計流量の算定(合理式・流出係数・確率年)は本ツールの対象外のため、上位計画に基づき設計者が別途設定してください。