双曲線法による沈下予測|実測沈下量から最終沈下量・残留沈下量を算定

v1.1.0 最終更新日: 2026-08-25

盛土等の沈下観測結果(経過日数と実測沈下量)から、双曲線法により最終沈下量・残留沈下量・任意時点の沈下量を予測します。切片α・勾配βは最小二乗法で自動算定します。

このツールで検討できること
  • 沈下観測データ(動態観測)から、双曲線法により最終沈下量S∞・任意時点の予測沈下量・残留沈下量を算定します。
  • 許容残留沈下量を満たす時期(放置期間・盛土撤去可能時期の目安)も求められます。
対象外・注意が必要な条件
  • 実測値の外挿による経験的な予測法です。地盤定数を用いた理論解析ではありません(理論計算は地盤圧密の検討へ)。
  • 解析の起点は盛土(載荷)完了後に取る必要があります。載荷中のデータを含めると双曲線の仮定が成り立ちません。
  • 観測期間が短いと最終沈下量を小さめに予測する傾向があります。観測の進行に応じて予測を更新してください。
  • 荷重が途中で変わった場合(追加盛土・撤去)は、その前後で別々に解析する必要があります。二次圧密が卓越する地盤では過小評価になることがあります。

適用範囲と計算上の仮定をすべて見る

1. 観測データ

沈下板等による観測結果を、経過日数(起点の設定によらず、観測開始からの通算日数で構いません)と実測沈下量の組で入力します。3点以上必要です。

最大60点まで入力できます。
Excel・CSVから一括で貼り付ける

「経過日数」「沈下量」の2列をそのまま貼り付けて「表に反映」を押してください。タブ・カンマ・空白のいずれの区切りにも対応します。数値以外を含む行は、その行の先頭2つの数値を読み取ります。

No.経過日数 t (日)実測沈下量 S (cm)
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8
9
10

沈下量は下向きを正(沈下方向)とし、cm単位で入力してください。

2. 解析条件

盛土完了時など、載荷が終わって沈下が単調に収束していく時点を起点(t0・S0)として指定します。起点より前の観測点は回帰計算には使用しません(グラフには実測値として表示します)。

起点の観測日を入力すると、予測結果を日付でも表示します(空欄でも計算できます)。

3. 予測条件

起点からこの日数が経過した時点の予測沈下量・残留沈下量を算定します(例: 10年後なら3650日)。

残留沈下量がこの値まで小さくなる時期を算定します。供用開始の判断や放置期間の設定に用います。

沈下-時間曲線の横軸の上限です。0を入力すると実測期間から自動で決めます(予測対象時点が遠い場合は表示範囲外になるため、その時点まで図示したいときは日数を指定してください)。

リアルタイムプレビュー(予測結果・グラフ)

入力に応じて自動更新

沈下-時間曲線

実測値 起点(t₀・S₀) 双曲線による予測 --- 最終沈下量 S∞

双曲線法の直線関係図

縦軸 (t−t₀)/(S−S₀) が横軸 t−t₀ に対して直線に並ぶほど、双曲線法の仮定によく適合しています。

観測点ごとの計算結果

計算方法と適用範囲

このツールで計算できること

盛土などの沈下観測データ(動態観測)から、双曲線法により最終沈下量S∞・任意時点の予測沈下量・残留沈下量を算定します。許容残留沈下量を満たす時期(放置期間・盛土撤去可能時期の目安)も求められます。

計算方法・使用式

  • 起点(t0, S0)以降の沈下が双曲線 S(t) = S0 + (t−t0)/(α + β(t−t0)) で表せると仮定します。
  • この式を変形すると (t−t0)/(S−S0) = α + β(t−t0) となり、横軸(t−t0)・縦軸(t−t0)/(S−S0)の平面で実測値が直線に並びます。この直線を最小二乗法で当てはめ、切片αと勾配βを求めます。
  • 最終沈下量は S∞ = S0 + 1/β(t→∞の漸近値)です。当てはめの良さは決定係数R²で確認できます。
  • 残留沈下量は S∞ − S(t) = α/(β(α + β(t−t0))) で求め、許容残留沈下量R以下になる経過日数を逆算します。

入力と出力

入力: 観測データ(経過日数と累計沈下量の表。行の追加・削除式)、解析の起点とする観測点(盛土完了後の点を選ぶ)、予測対象時点(起点からの経過日数)、許容残留沈下量、グラフの表示範囲。

出力: 双曲線の係数α・βと決定係数R²、最終沈下量S∞、予測対象時点の沈下量・残留沈下量、許容残留沈下量以下になる時期、沈下-時間曲線(実測値と予測曲線)と直線関係図のグラフ。計算過程つきの帳票(計算書)を出力できます。

適用範囲・計算上の仮定

  • 双曲線法は実測値の外挿による経験的な予測法です。地盤定数を用いた理論解析ではありません。
  • 解析の起点は盛土(載荷)完了後に取る必要があります。載荷中のデータを含めると双曲線の仮定が成り立ちません。
  • 観測期間が短い(データが直線に乗り始める前)と、最終沈下量を小さめに予測する傾向があります。観測の進行に応じて予測を更新してください。
  • 荷重が途中で変わった場合(追加盛土・撤去)は、その前後で別々に解析する必要があります。
  • 二次圧密が卓越する地盤では、双曲線法の漸近値が実際の沈下を過小評価することがあります。

使用基準・参考文献・設計者が確認すべき事項

  • 双曲線法(宮川の方法): 軟弱地盤対策における動態観測に基づく沈下予測手法として、道路土工 軟弱地盤対策工指針などで広く用いられる標準的手法。

予測の信頼性は観測データの質と期間に依存します。決定係数R²・直線関係図のばらつきを確認し、観測頻度・期間の妥当性、予測と実測の乖離の監視、必要に応じた他手法(√t法・浅岡法など)との併用は、設計者・施工者が別途判断してください。